2023

2023 · 2023/12/13
日本鑄金家協会に今年度末(2023年12月)限りでの退会を通告した。東京藝術大学工藝科鑄金卒業生を中心とした日本を代表する鑄金作家たちの親睦団体。私は長く各種委員も務めたが、私のギリシアブロンズ研究の価値を認め協力支援してくれた橋本明夫先生が教授在任中の2016/4 に亡くなって以来私の居場所がなくなった。...
2023 · 2023/11/05
 Pasquale Depoto が2022年10月25日に亡くなった。  現在この ex-direttore dell'Istituto di Restauro di Calabria の名の痕跡は Museo Archeologico di Reggio Calabria には全く残っていない。なぜなら過去に Museo Archeologico di Napoli に勤務していた時期に Mafia/Camorra と関わったとして、Reggio での在任中に有罪宣告を受けたからだ。しかし Reggio の博物館は彼が Reggio...

2023 · 2023/10/22
 2023年10月21-22日、Riace の目の一つが見つかったという知らせが報道と SNS を駆けめぐった。Giuseppe Braghò が2023年8月1日に Bronzi di Riace の発見現場の海中で偶然発見した、と記者会見で公表した。

2023 · 2023/08/17
le but de la poésie n'est pas, comme dit Baudelaire, de plonger au fond de l'infini pour trouver du nouveau, mais au fond du défini pour y trouver de l'inépuisable - Jean Cocteau 詩の目標は、ボードレールのいうとおり、無限の底に潜って新しいものを見つけることではなく、限定されたもの(有限)の底に潜って汲みつくせないもの(無限)を見つけることにある。 - ジャン・コクトー

2023 · 2023/08/16
・昨 2022 年 Bronzi di Riace 発見 50年を記念して記録映画が制作された。Fabio Mollo, Alessandra Cataleta, Semidei(半神たち)。9月に Venezia 映画祭に出品され、その後一般公開される。 ・昨秋 11月に Museo Archeologico Nazionale di Reggio Calabria で 3日に亙って開催された Convegno の機会に、Convegnoのあと主要参加者に対する intervista...
2023 · 2023/08/09
2023/10/7-8(土日)に Siena 近郊 Montepulciano で古代ギリシアと Donatello のブロンズ彫刻に関する実験考古学の講座が開催される。友人四人の主催。残念ながら私は行けないが、プログラムが送られてきたので掲載する。

2023 · 2023/07/26
・Villa Adriana 出土のモザイク(Altes Museum Berlin)は前400年頃のゼウクシス「ケンタウロスの家族」(ルーキアーノス「ゼウクシスまたはアンティオコス」3-8の ekphrasis に基づく Botticelli の再現画)の後日談とも解釈できる。Zeuxis では父 Kentauros が仔ライオンを持って子どもたちを脅して楽しんでいたが、母ライオンとその仲間たちが復讐に来た。 ・La mosaïque de Villa Adriana...

2023 · 2023/07/24
ブロンズないし大理石彫刻で身体に密着した薄いあるいは濡れた着衣を表現することはすでに紀元前5世紀ギリシアで魅力的な造形課題として追究されている。 ① 前470-460年頃の「Ludovisi の玉座」の Aphrodite Anadyomene(海から上がるアフロディーテー)とそれを支える二人の Horai(季節たち)を嚆矢として ② 前420年頃 Paionios が一塊りの大理石から制作した「Olympia の...

2023 · 2023/07/08
萩尾望都『ピアリス』初出 1994、単行本 2017、未完 ・宇宙が舞台のためか SF 小説に分類される。 ・背景は戦争難民。テーマは時間。ピアリス=過去視、ユーロ=未来視。記憶、予言、夢。 ・モチーフ、イマージュを共有する作品として『スター・レッド』1978-79『残酷な神が支配する』1992-2001『バルバラ異界』2002-05 などを数えることができる。...

2023 · 2023/06/28
・むかし Venceslas Kruta が前 4 世紀前半に作られた Casque d'Amfreville についての論文でその兜を「問題群の収斂点」としていた (Kruta 1973)。 ・それを承けさらに敷衍して私は Casa dei Dioscuri に描かれていた Andromeda/Perseus がそれまでの Andromeda/Perseus の造形表現すべての収斂点・凝縮点でありかつその後の表現すべての出発点となったことを示した (Hada 1993)。...

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