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課外授業は東京競馬場で

 

2009/5/24(日)、講義で扱った「Artemision の馬とジョッキー」に因み東京競馬場で課外授業を実施した。厩舎で馬たちを見、競馬博物館で古代以来の馬と競馬の歴史を見たあと「貴賓室」で観戦した。すべて馬の彫刻家 後藤信夫さんと元場長 今野(いまの)雄三さんのご厚意による。途中競馬解説者の原良馬さんも挨拶に来られた。初めて馬券を買い、オークスで 番ブエナビスタを当てた人もいた。beginner's luck

 

先日その時の写真を今野さんから所望され、改めて見て、物思いに沈んでしまった。写っている学生は 17 人。みんな若く、希望に満ちて生き生きしている。私も前年、2008 年に『古代ギリシアのブロンズ彫刻』を出版し、『フィロストラトス/エイコネス』の翻訳註解を引き受けたばかりだった(まだ出せてない・・)。その年が ICU での非常勤の初回で、午前中「西洋古典文学」2齣と午後「西洋古代美術」齣、計 時間半を同じ日に行なうだけの体力がまだあった。あの年はそれぞれ「古代ギリシア美術における変容神話」「古代ギリシアのブロンズ彫刻」。

 

あれから 12 年、参加した学生は 30 代前半になっている。どうしているだろうか。その後の消息を私が知っているのはほとんど佐藤ふたばさんだけだ。リュラーと歌、ギリシア悲劇喜劇、マンガ、ファンタジー。・・あれは民主党政権誕生直前だったが、彼女たち(というのはほとんどが女子学生だったので)の人生はその後復帰した自民公明政権の非正規貧民化政策、さらに大学院に進んだ人たちは大学破壊政策によって相当狂わされたに違いない。私には何もできないが、若さで何とかそれぞれ切り拓いて行って欲しい。