ICU冬学期講義「西洋古典文学」の成績を入力。一段落したのでWebsiteの【Eikones I-III】【Riace PPT 1-5】【Exclusive】頁などを秋まで完全非公開(画面に現れない)とする。それ以外の頁についてはこれまでと同じ。
2年前の武蔵野美大、昨年のICU「西洋古代美術」に続き、東京藝大もこの3月で雇い止めになり、今後日本では「古代ギリシアのブロンズ彫刻」について最新の話をする場がなくなった。代わってメッシーナ大学の講義があちらの来年度から始まるので、サイトでは欧文テクストが繁茂していく。ICU側ではまだ公けにしていないが(あちら側はHPで公表している)、メッシーナ大学とICUは昨年10月に学術協定を締結した。イタリア文化会館であちらの副学長二人と会って以来、ちょうど1年かかった。協定を押し進めた、私たちとリアーチェ研究を共にしているメッシーナ大学のカストリツィオ、カリーリ両教授を日本に招いて「ギリシアブロンズ・シンポジウム」を開催する計画がある。
ICUで私は2009年度春学期以来「西洋古代美術」(3単位)と「西洋古典文学」(2単位)を担当し、「美術」でギリシア彫刻(古代ギリシアのブロンズ彫刻、神々の図像史、古代美術に関する古代文献)、「文学」でギリシア絵画+神話+文化史(変容神話、前5-4世紀の文化、エクフラシス)について話した。
「美術」では「文学」の受講生も誘って、課外授業をたびたび実施した。一つは競馬場観戦。馬のブロンズ彫刻で知られる後藤信夫氏の協力を得、講義で扱う「アルテミーシオンの馬とジョッキー」の繋がりで馬の彫刻の研究と称して、東京競馬場に2回行った(2009/5オークス、2011/11ジャパンカップ)。競馬博物館にも屋外にも後藤さんの作品が展示されている。
もう一つはブロンズ小品制作。「古代ブロンズの制作工程」の理解のため、美術鑄造家(2011年度は清水剛氏、2013, 2017年度は松本隆氏)の協力を得て、3回実施した。教室で各自が手ひねりで蜜蠟原型を作り、美術鑄造工房でそれをブロンズに鑄造し、各自で仕上げた。
・・どちらももうできないと思うとさみしい。これまでの写真を見ていると、なおさら。(ここでは記念写真=集合写真の掲載は割愛する。)
その他、国立西洋美術館に来た「アレッツォのメンルウァ」鑑賞と私の講演(2009/11)、来日したカラーブリア修復研究所長と私のICUと東京藝大における「リアーチェの第三次修復」講演(2010/9)、東京藝大工芸科鑄金の鞴祭(2011/11)などに誘ったことも思い出される。